幅を拡げる
この英語の幅については前にも触れました。リスニングについてでしたね。私は今このページをバンコックのホテルのラウンジで書いています。隣のテーブルでひとつのグループが英語でコミュニケートしています。
- 3人います。一人はアメリカ人。一人はおそらくドイツ人、あるいはその周辺の国の人でしょう。もう一人はタイ人。アメリカ人を除けば、どちらもかなりひどい訛りです。特にタイ人はチラッと聞いたらタイ語を聞いているかのようです。
- 私には、聞こえてくる会話が専門用語・固有名詞の内容を除いてほぼ100%わかります。アメリカ人がドイツ人と一緒になってある製品のよさを一生懸命タイ人に売り込んでいます。タイ人は表面的にはそれをAppreciateしているようでも、それ以外のBusiness上のConcernにより興味があるようです。
- 仮にあなたがTOEIC950点でも、今までアメリカ英語を教材とした机上の学習だけでここまできた人なら、この会話をすんなり理解するのはかなり難しいかもしれません。縦には伸びた実力も横に幅がないからです。
- 面白い話があります。現在の仕事では提携先の日本企業との会議が欠かせません。英語を得意としない出席者のために必ず専属の同時通訳の女性がつきます。大体25-35歳くらいの日本人の女性です。すごいスキルです。私も英語でDiscussされている内容は理解していますが、それを瞬時に日本語にするのはまったく別の技術だと思います。すばらしいの一言です。
- その会議にあるとき台湾から現地のオペレーションが参加しました。製造関係のマネージャーです。ところが彼の発言(ひどい訛り)がその同時通訳の女性はまったくわかりません。わたしには殆ど分かります。この違いが幅だと思います。いままで欧米の英語だけをStandardとして勉強していた彼女たちもそれ以外のSpoken Englishにはお手上げだったわけです。彼女たちを見ていると、これ以外にもオーストラリア、イギリス、フィリピンなどのアメリカ英語以外はリスニングがかなり落ちてしまうのが見ていて分かります。